神経免疫研究に向けたマウス海馬RNA-seqデータセットに再解析結果を追加しました

当研究室では、RORγtトランスジェニックマウスと野生型の同腹仔から得られた海馬のRNAシーケンシング(RNA-seq)データを公開しています。今回、既存の公開データに再解析結果を追加するとともに、配列データや解析手順、品質評価の資料を整備し、研究者が再利用しやすい形で公開内容を拡充しました。

RORγtは、免疫細胞の一種であるTh17細胞の分化に関わる転写因子です。本データセットは、RORγtトランスジェニックマウスの海馬における遺伝子発現を調べ、免疫と脳の関係を検討するための研究資源として作成しました。RNA-seqは、組織に含まれるRNAを読み取り、遺伝子の発現状況を網羅的に調べる手法です。

今回の公開では、分割されていた配列ファイルを試料ごとにまとめ、マウス参照ゲノムGRCm39とEnsembl release 116の遺伝子情報を用いた再解析を行いました。主な公開内容は以下のとおりです。ファイルの統合では元の配列を削除・変更せず、約8,336万組のペアエンドリードを保持していることを確認しました。また、Figshareに公開した全31ファイルについて、元ファイルとのチェックサム一致を確認しています。

本データは、免疫応答、細胞ストレス応答、シナプス関連遺伝子などに着目した独立の再解析や、他のマウス海馬データとの比較に利用できます。各群3匹の雄マウスを対象とした探索的データであり、海馬全体に含まれる複数の細胞種の発現を反映するため、細胞種ごとの変化や性別・年齢を超えた一般化には追加の検証が必要です。

元の配列データへのリンク、従来の発現行列、および追加したGRCm39のカウント行列・注釈情報は、NCBI GEO:GSE347403から参照できます。統合FASTQ、BAM/BAI、解析資料は、Figshare:DOI 10.6084/m9.figshare.34405863で公開しています。Figshareの公開データのライセンスはCC BY 4.0です。

Merged FASTQ files and GRCm39 alignments of hippocampal RNA-seq from RORgt-transgenic mice and wild-type littermates 

Tetsuya Sasakia,c,d,*, Sae Sanakaa,b, Kenyu Nakamuraa,b, Suguru Iwataa,d, Momo Morikawaa,d, Yosuke Takeia,c,d

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