2022年度医学群医学類「機能・構造と病態I_#3解剖学」開講します

2022年5月より、医学群医学類M2「系統解剖学講義・実習」が開講されます。運動器の構造と機能の理解、胸部・腹部・骨盤内の諸器官の形態と立体的位置関係、血管・神経の分布を学習し、人体構造理解への基礎を作ることを目指します。

*系統解剖学実習は、薬理学試験の翌週(土日をはさんで)から開始になります。解剖学は覚えることが多く、全体に実習の予定がタイト(5日間×約6週間)なので、余裕をもって予習をしておくことをお勧めします。体力が必要なので、自己管理も重要です。

*中間試問までは、運動器・神経系の学習・剖出が中心となります。講義、骨学実習、系統解剖実習の内容のつながりを意識して勉強してください。

*今年度から、実習のサポートをしてくださるM3~M6の学生の方を募集しています。内容に興味がある方は、スタッフanatomyneuroscience@gmail.comまでご連絡ください。

〇解剖学について

「解剖学という基礎」(東京大学名誉教授 養老孟司先生)

「解剖実習室へようこそ」(監修:廣川信隆先生 著:前田恵理子先生)

「解剖学教室へようこそ」(東京大学名誉教授 養老孟司先生)

〇筑波大学の系統解剖実習

解剖学教育は、筑波大学医学医療系 献体事務室(筑波大学白菊会事務局)の瀬谷祐一技術員矢部一徳技術員、水谷慶技術員と協力して行っています。系統解剖学実習では、濱田理人先生・吉原雅大先生(筑波大学 医学医療系 生命医科学域 解剖学・発生生物学研究室)と協力しています。また非常勤講師として前島徹先生(目白大学 保健医療学部 教授)および野上晴雄先生(日本保健医療大学 保健医療学部 教授)、本間典子先生(国立看護大学校 教授)にご指導いただいています。

〇教科書

解剖実習の手引き」 改定11版 寺田春水、藤田恒夫著 南山堂 ¥7,884
プロメテウス解剖学コアアトラス」第3版 坂井健雄 医学書院 ¥10,260
 または「解剖学カラーアトラス」 第8版 Rohen、横地ほか 医学書院 ¥12,960

 *教科書の図は、平面的でわかりにくいことがある。アトラスを参照することで理解が深まる。「プロメテウス解剖学コアアトラス」は図が美しく、詳細な説明が掲載されている。Rohenの「解剖学カラーアトラス」は写真が多数掲載されており、剖出の際にとても参考になる。剖出対象がどのような構造体なのか把握するのに役立つ。実習の時間を有意義なものにするためには、十分な予習が欠かせない。解剖は、体表から体内(中心部)に向かって進む。剖出の過程で失われてしまう構造もあるため、先を見越して作業を進める必要がある。

〇参考書

 *骨学を網羅的に取り扱う良書である。「解剖実習の手引き」と対にして勉強すると理解が深まる。

 *きれいな解剖図と詳細な記述が掲載されている。解剖の勉強するには良書である。一方で、イラストで構成されているため、剖出の際に参考するには難しいこともある。グレイ解剖学をアトラスとして指定する大学も多い。

 解剖学と生理学を融合させ、カリキュラムに対応し、学生の理解をより促す構成となっています。人体を、そのはたらきからとらえ、器官系を有機的に結びつけた構成とすることによって、看護学生に必要な解剖学・生理学の知識を網羅し、かつ興味をもちながら体系的に理解できる内容を目ざしました。第1章は、器官系から人体を説きおこす新たな構成としました。人体にはさまざまな機能をもつ器官があることを説明し、人体の部位とも結びつけることで、人体のイメージを明確化します。また、ホメオスタシスの概念を、章全体で意識した記述としています。新設の第11章では、看護技術を理解するうえで重要な体表解剖を取り上げました。臨床での実践につながる解剖生理学の知識をコラム「臨床との関連」に記述し、臨床での実践を意識して学習できるよう各所に配置しました。解剖生理学を学習する動機づけと学習意欲の向上につなげます。(医学書院のサイトより抜粋)

 *タブレットPCなどで使用可能な3Dの人体アトラス(有料)。様々なコンテンツが含まれている。

 タブレットPCなどで使用可能な3Dの人体アトラス。価格は¥3,000程度だが、時々セールが行われていて¥150程度になる。ダウンロードしておいて損はないはず。ところどころ誤った記述がみられるので使用には注意が必要。同じ会社が提供する「生理学と病理学」「解剖学的構造と生理学」「Muscle Premium」「Physiology Animation」と合わせて使用すると理解が深まる。いずれもセール時にまとめてダウンロードしておくとお得だと思う。

https://www.visiblebody.com/ja/anatomy-and-physiology-apps/human-anatomy-atlas
  • 解剖学講義」伊藤 隆 (著), 高野 廣子 (編集) 南山堂 

 *「解剖実習の手引き」より詳細に記述がなされている。

 *解剖学の要点がまとめられていてわかりやすい。電子版がついているので、ノートや資料をまとめる際に便利。いきなり分厚い教科書にチャレンジする前に、本書で解剖の概要をつかむのもよいかもしれない。

*解剖に必要な発生学の知識を身に着けるのに適している。

 *解剖の手順が「解剖実習の手引き」とは異なっている点があるが、カラーの図が掲載されていて剖出手順がわかりやすい。大学などの機関向けに動画が用意されている。「グラント解剖学実習」を教科書として採用している大学もある。

  • 臨床のための解剖学」 第2版 監訳:佐藤達夫 東京医科歯科大学 名誉教授/東京有明医療大学 学長 坂井建雄 順天堂大学大学院医学研究科解剖学・生体構造科学 教授 メディカルサイエンスインターナショナル

 *現在剖出している構造がどのように臨床につながるのか理解するために適している。

研修医からベテランまで使える、臨床に直結した解剖学の本格テキスト日本語初版刊行以来、医師、研修医など多くの読者の支持を獲得してきたロングセラー、8年ぶりの改訂。1980年の原著初版以来、版を重ねつつ評価を高めてきた。改版にともない、さらに読みやすさ、わかりやすさを追求。本書の特徴である解剖学と診察や診断との関係を明確に示す体表解剖および医用画像は、本文の流れに沿った配置に変更。加えて臨床関連事項の記述はさらに充実し、適宜アイコンを付記。図版は全面的に刷新され大幅増量、レイアウトを効率的に組みかえることにより頁数を抑えた。臨床現場で常に参照できる実践的解剖学テキスト。(Websiteより抜粋)

・「イラスト解剖学」 第10版 松村讓兒 著

 *医学類の学生からも人気が高い。解剖の勉強に使用している学生が多い。

ユニークなイラストとわかりやすい解説で,解剖学が面白く,驚くほど理解できるテキストとして20年以上も大好評を得てきた.読み進めていくうちに,暗記に頼らずとも必要な知識を身につけることができる.版を重ねるたびに,解剖用語記憶術の付録の追加やフルカラー化などのリニューアルを行い,学びやすいよう進化し続けている.記念すべき改訂10版を迎える今版も,項目増でさらにバージョンアップ.より役立つ1冊に.(Websiteより抜粋)

 *初学者のための解説とカラー模式図で構成されている。発生学のエッセンスが見開き1テーマで掲載されている。

〇Youtube Channel

Human Anatomy Education

 *人体解剖の豊富な動画が掲載されている。英語だが、剖出の予習・復習をするために役立つと思う。剖出対象がどのような構造なのか理解してから実習に臨むと、実習の時間を有効に使える。

2分で学ぶ解剖学 【Dr.ムック】(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 医歯学系専攻 先端医療開発学講座 臨床解剖学 助教 室生 暁 先生による解剖学動画)

 *筋膜や腹膜などの構造の解説。更新頻度が高い。短い動画で構成されているので、隙間時間に勉強するのによいかもしれない。

〇名古屋大学人体解剖トレーニングセミナー

名古屋大学医学部では、若い解剖学教育者を対象とした人体解剖トレ-ニングセミナ-を開催している。約1週間、系統解剖学について集中して学ぶことができる。1班5人程度で、テューターが二人つく形で剖出が進められる。ある程度、解剖実習の経験がある人のスキルアップにもよいと思う。

〇組織学参考資料

Histology at the University of Michigan (ミシガン大学医学部が提供するバーチャル組織学実習)

Histology Guide virtual microscopy guide

 *M1で学習した組織学の内容を復習するために有効である。

バーチャルスライド組織学」 駒崎伸二著 羊土社

 *コントラストがはっきりした美しい写真が多数納めされている。書籍を購入すると、オンラインでバーチャルスライドを閲覧できる。

〇筑波大学白菊会慰霊塔

 *学内に設置されている慰霊塔。

筑波大学白菊会慰霊塔 

https://www.med.nagoya-u.ac.jp/Anatomy2/exchange.htm
https://www.neurosci.tsukuba.ac.jp/~takeilab/index.php/2022/04/21/20210000-67/

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