光と雨のあわいに

七月上旬は、夏の入口に立ちながら、まだ梅雨の名残をまとっている季節です。朝、窓を開けると、湿り気を含んだ空気が静かに入り込み、庭の草木には夜の雨粒が残っています。雲の切れ間から差す光はすでに夏の強さを帯びていますが、風の奥にはどこか六月の涼しさが潜んでいます。季節は一息に移り変わるのではなく、古い時間を少しずつ手放しながら、次の景色へ歩みを進めているようです。

道端では紫陽花が盛りを越え、色を深く沈ませています。その傍らでは、向日葵の茎が日ごとに背を伸ばし、まだ見ぬ盛夏の空を待っています。雨に濡れた葉の匂い、遠くで鳴き始めた蝉の声、夕暮れに漂う土の温もり。七月上旬には、梅雨と夏が互いに譲らず、ひとつの風景の中に同居しています。

この頃になると、一年の半分が過ぎたことに気づかされます。年の初めに抱いた願いや、春に始めた仕事は、今どこまで進んでいるでしょうか。思うように運んだこともあれば、立ち止まったままのこともあるでしょう。しかし、木々が雨の日にも根を伸ばしているように、目に見えないところで積み重なった時間は、決して失われてはいません。焦らずとも、静かな歩みはやがて形を結びます。

七夕が近づく夜には、曇り空の向こうに星を思います。たとえ天の川が見えなくても、星が消えたわけではありません。見えないものを信じ、遠くにある光へ願いを託す心は、忙しい日々の中で忘れかけた大切な感覚を呼び戻してくれます。七月上旬は、明るさと翳り、雨と光、振り返りと始まりが交差する季節です。やがて訪れる盛夏を前に、少しだけ歩みを緩め、ここまでの日々を見つめ直す。葉を伝う雨粒のように、過ぎた時間を静かに受け止めながら、新しい夏へと心を向けていきたいと思います。

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