2025年11月13日から15日、京都市左京区の国立京都国際会館で開催されたBPCNPNP2025合同年会(第47回日本生物学的精神医学会・第35回日本臨床精神神経薬理学会・第55回日本神経精神薬理学会)に参加しました。本合同年会は、精神疾患の原因解明から創薬・薬物療法、社会実装までを一気通貫に議論できる国内最大級の場であり、テーマ「精神疾患の世界を変える~野望を持って理想を目指せ!」のとおり、次の10年を見据えた知の結節点として強い推進力を感じました。会場は紅葉に彩られ、分野横断の対話が自然に生まれる雰囲気に満ちていました。私は医学部4年生として初めて本格的に三学会合同の学術集会を体験し、基礎と臨床の距離を縮めるための視座を多面的に得ることができました。
私は、自閉スペクトラム症(ASD)の発症・病態生理について特にIL-17Aに着目して研究を行っており、本学会では「IL17-Aによる神経免疫調節異常と精神疾患発症の解明」というテーマでポスター発表をしました。今回のポスター発表では発表5分、質疑2分の発表時間が設けられており、議長の先生の進行のもと十数名を前に発表する形式でした。発表前は学類生という立場で発表することに怖気づく気持ちがありましたが、年齢や所属を問わず率直に意見交換ができる雰囲気となっていました。臨床との結びつきや実験系について先生方から様々なコメントをいただき今後の研究を進めていくうえでのヒントを得る貴重な機会となったうえ、同じく精神疾患の病態解明を目指して研究を行っている同世代の存在にも大きな刺激を受けました。筑波大学医学群医学類の同級生がYong Investigator Awardを受賞し、表彰式に一緒に参加することができ、とても嬉しく思いました。
開催地である京都・岩倉は、日本精神医学の発祥の地の一つとされ、学問的にも歴史的にも意味のある場所です。本学会が開催された11月中旬は暑かった夏が過ぎ、紅葉が美しく感じられました。京都国際会議場は、学術的な集中と心身のリフレッシュの双方に適した環境でした。本合同年会は、若手の参加者が多く、交流が自然と深まりやすい雰囲気でした。また基礎から臨床へ、分子から行動へ、そして研究室から社会へと視野を広げる絶好の機会でした。医学生としての私にとって、議論のスピードと深さに圧倒される場面もありましたが、同時に「何を臨床家・患者に還元できるのか」を常に自問する姿勢を身につけることができました。まだ経験の浅い学生ではありますが、今回の学会参加で得た経験は、今後研究を続けていくうえで大きな糧になると感じています。次の学会では、今回よりも少し落ち着いた気持ちで、より深く議論に参加できるよう努力していきたいと思います。最後に、本大会を運営してくださった先生方、発表や議論の場で温かく接してくださった皆様、日頃から丁寧にご指導くださった解剖学・神経科学研究室の先生方、先輩方に心より感謝申し上げます。
研究発表
Sae Sanaka, Asumi Kubo, Kenyu Nakamura, Sara Kamiya, Kentaro Itagaki, Kyoko Kishi, Momo Morikawa, Suguru Iwata, Tetsuya Sasaki, Yosuke Takei. Elucidation of the mechanism of mental disorder onset by IL-17A-induced neuroimmunoregulatory abnormalities. BPCNPNP2025. 2025.11.13-15. Kyoto.
参考文献
Sanaka S, Sasaki T. Pharmacological Treatment of Autism Spectrum Disorder: Evidence and Clinical Decision-Making in Practice. Clinical Psychopharmacology. 2025-02. 28 (02): 62-67.Sanaka S, Sasaki T, Takei Y. Neuroimmune Interactions in Autism Spectrum Disorder: IL-17A-dependent Microglial Modulation and Pathophysiology. Clinical Psychiatry. 2025-07. 67(3): 1050-57.
筑波大学医学群医学類4年 左中 彩恵


