医療科学類の学生の方が研究室訪問に来てくれました。スタッフが、研究内容の説明を行いました。雨の中、お疲れ様でした。
筑波大学医学群医療科学類は、医学・生命科学と臨床検査学を幅広く学ぶ4年制の学類です。臨床検査技師を目指すための専門教育を基盤としながら、医科学研究や大学院進学にも力を入れていることが大きな特徴です。
筑波大学の医学群には、医学類、看護学類、医療科学類の3つの学類があります。医学類が主として医師、看護学類が看護師などの医療専門職を養成するのに対し、医療科学類では、臨床検査をはじめとする医療技術と、医学・生命科学研究の双方を学びます。
医療科学類では何を学ぶのか
医療科学類では、人体の構造や機能、病気が生じる仕組み、診断に用いられる検査技術などについて段階的に学びます。
基礎医学領域では、解剖学、組織学、生理学、生化学、分子生物学、遺伝学などを学びます。さらに、病理学、臨床化学、血液学、微生物学、免疫学、遺伝子検査学、臨床生理学など、実際の診断や医療につながる専門分野へと学習を広げていきます。臨床検査は、血液、組織、遺伝子、微生物、生理機能などの情報を正確に解析し、病気の診断や治療方針の決定に役立てる重要な医学分野です。そのため医療科学類では、「どのように検査するか」だけでなく、「なぜこの検査が必要なのか」「病気の背景で何が起こっているのか」といった医学的・科学的な考え方も重視されています。
3年次から選択する2つの主専攻
医療科学類の特徴の一つが、3年次から主に「医療科学主専攻」と「国際医療科学主専攻」に分かれる点です。医療科学主専攻では、臨床検査学を中心とした専門教育を受け、所定の科目を修得することで、卒業時に臨床検査技師国家試験の受験資格を得ることができます。
一方、国際医療科学主専攻では、医科学研究や国際的な活動をより重視した教育が行われます。英語による専門教育や研究活動などを取り入れながら、将来、国内外の大学院や研究機関で活躍することを視野に入れたカリキュラムとなっています。
特に、国際医療科学主専攻では履修の自由度が比較的高く、研究志向の学生が自分の興味や将来像に応じて学習内容を組み立てやすい点が特徴です。
筑波大学医療科学類の大きな特徴は「研究」
医療科学類を特徴づける重要な要素が、卒業研究です。大学では、教科書に書かれている知識を学ぶだけでなく、「まだ答えが分かっていない問題」に取り組むことが研究になります。
医療科学類の学生は、基礎医学、臨床医学、生命科学など、さまざまな研究領域の研究室で卒業研究に取り組む機会があります。研究テーマによっては、分子生物学、神経科学、免疫学、病理学、再生医学、感染症、遺伝子解析など、最先端の医学研究に触れることもできます。
通常の医療科学主専攻では主として4年次に卒業研究を行います。一方、国際医療科学主専攻では、3年次から4年次にかけて、より長期間研究に取り組むことができます。大学院進学や研究者を目指す学生にとって、このように学部生の段階から研究活動を経験できることは大きな利点です。
臨床検査技師という進路
医療科学主専攻の代表的な進路の一つが、臨床検査技師です。臨床検査技師は、病院や検査施設などで、血液検査、生化学検査、微生物検査、病理検査、遺伝子検査、心電図、超音波検査など、さまざまな検査を担当します。
現代医療では、診断や治療の多くが客観的な検査データに基づいて行われます。そのため、臨床検査技師は医療を支える重要な専門職の一つです。さらに近年では、遺伝子解析、ゲノム医療、分子診断、高度な画像解析など、臨床検査の領域そのものが急速に発展しています。こうした変化に対応するためには、単に既存の検査法を習得するだけでなく、新しい検査技術を理解し、場合によっては開発する力も必要になります。研究教育を重視する筑波大学医療科学類の特色は、こうした時代の医療ともよく合っています。
卒業後は大学院進学という選択肢も
医療科学類の卒業生の進路は、病院の臨床検査部門だけではありません。大学院へ進学して研究を続ける学生も多く、修士課程や博士課程を経て、大学、研究所、製薬企業、医療機器企業、バイオテクノロジー企業などの研究・開発職へ進むことも可能です。
たとえば、
医療科学類
↓
大学院修士課程
↓
博士課程
↓
大学・研究所・企業の研究者
という進路も考えられます。また、臨床検査技師として医療現場で経験を積んだ後に大学院へ進み、臨床研究や基礎研究に取り組むという道もあります。
「医学」と「科学」の両方を学ぶ学類
筑波大学医学群医療科学類を一言で表すなら、「臨床検査学を入口として、人間の病気を分子・細胞・組織・個体レベルで学び、さらに医科学研究へと発展させていく学類」といえるでしょう。
医療科学類では、病院で働く医療専門職を目指すことも、大学院へ進んで研究者を目指すこともできます。高校生の段階では、「医療には興味があるが医師以外の形で関わりたい」「実験や生命科学が好き」「病気の仕組みを研究したい」「将来は研究者になりたい」と考えている人も少なくありません。そのような学生にとって、臨床検査学と医科学研究の双方を経験できる筑波大学医学群医療科学類は、特徴的な選択肢の一つです。医学の知識を学ぶだけではなく、自分自身で疑問を持ち、実験し、データを解析し、新しい知見を生み出す。医療科学類の4年間は、医療専門職への入り口であると同時に、医学研究者への入り口でもああります。



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