六月下旬になると、一年で最も昼の長い季節が静かに過ぎ去り、夏の入口が少しずつその姿を現し始めます。空はまだ高く、夕暮れはゆっくりと訪れますが、その長い光の中には、すでに季節が折り返したことを知らせる気配が漂っています。
梅雨の雲はなお空を覆い、ときに激しい雨を降らせます。しかし、雨上がりの街路樹や田畑の緑はひときわ鮮やかで、濡れた葉の一枚一枚が光を受けて輝いています。水をたたえた田んぼには空が映り込み、風が吹くたびにその景色がゆらぎます。遠くから聞こえるカエルの声や、草むらに潜む虫たちの気配は、これから始まる本格的な夏を予感させます。六月下旬は、春の余韻と夏の躍動が同居する不思議な時期でもあります。新年度から積み重ねてきた日々にようやく慣れ始める一方で、気づけば一年の半分が過ぎようとしています。長く感じられた四月も、慌ただしかった五月も、雨に包まれた六月も、振り返れば一続きの流れとなって遠ざかっていきます。
夕方、雲の切れ間から差し込む西日の色はどこか柔らかく、湿り気を帯びた風が頬をなでていきます。明るさを残したまま夜へ向かう空を見上げると、過ぎていく時間への名残惜しさと、新しい季節への期待が入り混じった感情が胸に広がります。六月下旬は、盛夏へ向かう助走の時です。雨に洗われた緑は深みを増し、空には力強い雲が育ち始めます。まだ見ぬ夏の日々を思いながら、長い夕暮れの光の中で、私たちは静かに季節の移ろいを見つめます…とまとめたいところですが、解剖学コースの大事なイベントがまだ控えています。
本日も医学類の学生たちと一緒に解剖学について勉強し、短期間での成長ぶりに驚きました。今年度は、驚くべき技術力と集中力、強靭な粘りを有する一人の学生に出会えて毎日刮目する思いでした。実習最終日も、最後まで一人で作業をされていました。医学類学生の新しい才能を研究室にぜひ呼び込みたいものです。








