六月の扉に吹く風

六月が始まると、本来ならば、若葉の緑がいっそう深まり、雨を待つ紫陽花が静かに色づき始める季節です。春の名残を少し残しながら、空気はしだいに湿り気を帯び、夏へ向かう時間がゆっくりと動き出します。しかし今年の六月の入口には、穏やかな季節の移ろいだけでなく、台風の影が重なりました。台風6号は東日本太平洋側に接近し、土砂災害、浸水、河川の増水、高波への警戒が呼びかけられています。

六月の雨には、草木を育てるやさしさがあります。乾いた土を潤し、葉を洗い、街の色をしっとりと深めていく力があります。けれども、台風がもたらす雨と風は、その穏やかな恵みとは異なります。空は急に重くなり、風は木々を揺さぶり、雨音は生活のリズムを乱すほど激しくなります。季節の美しさと自然の厳しさが、同じ六月の空の下に並んで現れるのです。

それでも、こうした天候の変化は、私たちに自然とともに生きていることを改めて思い出させます。予定通りに進む日常の背後には、風や雨や海のうねりがあり、人の営みはその大きな力の中に置かれています。六月の始まりに台風を迎えることは、少し不安で、落ち着かないものです。しかし同時に、空を見上げ、情報に耳を澄ませ、身の回りを整える契機にもなります。雨が過ぎたあと、濡れた葉はさらに濃く輝き、空気は洗われたように澄むことでしょう。六月は、静かな美しさだけでなく、荒れる空を越えて深まっていく季節でもあります。台風の気配を含んだこの始まりを、慎重に、そして自然への畏れを忘れずに受け止めたいと思います。とりあえず、台風の影響で休講になった某実習にどのように対応するべきか思案します…

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