第272回つくばブレインサイエンス・セミナーが開催されます

第272回つくばブレインサイエンス・セミナーが開催されます。

演題『適切な行動を生み出す大脳基底核ネットワーク』

演者:網田 英敏 (Hidetoshi Amita) 先生(京都大学ヒト行動進化研究センター

要旨 大脳基底核を損傷した患者では、性格・行動・認知機能においてさまざまな影響が見られます。一例として、尾状核の高血圧性脳出血を発症した患者は周囲のことに無関心になり、無気力状態に陥り、不適切な言動をおこなうようになったという症例報告があります。このような大脳基底核障害による行動変容はどのようなメカニズムによって生じるのでしょうか。大脳基底核の入力核である尾状核や被殻は、前頭葉・側頭葉・頭頂葉などの各皮質領域からトポグラフィックな投射を受け取ることにより複合的な機能的ネットワークを形成していると考えられています。したがって、これらのメカニズムを明らかにするためには、ネットワークごとにどのような信号が入出力しているかを明らかにし、その信号を操作(遮断もしくは賦活化)することでどのような行動変容が起こるかを調べるアプローチが有用です。本セミナーでは、神経活動記録と神経薬理操作、光遺伝学的操作、蛍光イメージングを組み合わせた非ヒト霊長類(アカゲザル)の研究を紹介し、効率的な視覚探索を実現する大脳基底核ネットワーク、報酬予測誤差および感覚予測誤差にかかわるドーパミン―大脳基底核ネットワークについてお話しし、霊長類の大脳基底核ネットワークの機能について考察したいと思います。

2022年12月20日(火)午後6時から同時双方向型オンライン講演 

https://us02web.zoom.us/j/8741389353?pwd=VkZYeC9IdW8xTnJvaG80TDVPdUJBUT09  

https://www.md.tsukuba.ac.jp/tbsa/index.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください