第265回つくばブレインサイエンスセミナーが開催されます

第265回つくばブレインサイエンスセミナーが開催されます。

演題『グルタミン酸脱炭酸酵素ノックアウトラットの行動解析』

演者 藤原 和之(Kazuyuki Fujihara)先生(群馬大学医学部附属病院精神科神経科)

要旨 抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)は、精神神経疾患の病態に深く関与していることが示唆されている。群馬大学精神科では、核磁気共鳴技術を用いてヒトの脳内GABA濃度を測定し、行動様式との相関を解析することでこの問題に取り組んで来た(Fujihara et al., Neuroimage, 2015)。しかし、ヒトでの研究は観察研究であり、相関を見ることはできても因果に迫ることは困難である。そこで私たちは、モデル動物のGABA神経系を操作し、その結果生ずる現象を観察することにより、GABA神経伝達障害と行動の因果に迫ることを試みた。特に最近ではGABA合成酵素(GAD67)のノックアウトラットの開発に成功し、行動学的な変化を次々と同定した(Fujihara et al., Translational Psychiatry, 2020など)。GAD67は、代表的な精神疾患である統合失調症の死後脳において発現が減少しており、その病態生理との関連が注目されている。今回のセミナーでは、精神疾患を念頭に置いた私たちの最近の研究成果を中心に紹介するとともに、一部未発表データについても議論させて頂きたい。

日時 2021年12月21日(火)午後6時からオンライン講演(双方向型)場所下記URLから視聴できます。                     
https://us02web.zoom.us/j/7742871321?pwd=QlhhVmlZdWR6TGJ1QlNJOEZuSFN5UT09

ミーティングID: 774 287 1321
パスコード: 369938      

参考文献
Fujihara, K., et al. (2015). Relationship of γ-aminobutyric acid and glutamate+ glutamine concentrations in the perigenual anterior cingulate cortex with performance of Cambridge Gambling Task. Neuroimage, 109, 102-108.
Fujihara, K., et al. (2020). CRISPR/Cas9-engineered Gad1 elimination in rats leads to complex behavioral changes: implications for schizophrenia. Translational psychiatry, 10(1), 1-13.

Lively closeup of falling autumn leaves with vibrant backlight from the setting sun

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