東京大学・廣川研究室との共同研究成果が論文になりました

東京大学大学院医学研究科 廣川信隆先生の研究室との共同研究が論文になりました。

神経細胞内における記憶の書き換えメカニズムの解明は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を代表とする記憶障害を伴った精神疾患の治療開発において重要な役割を担っているが、実際に神経細胞がどのように記憶の書き換えや恐怖記憶の消去を行っているかについては現在十分には理解されていない。今回、東京大学大学院医学系研究科分子細胞生物学専攻の廣川信隆特任教授、岩田卓特任研究員、森川桃特任研究員(研究当時、現・理化学研究所)、武井陽介准教授(研究当時、現・筑波大教授)らの研究チームは、キネシン分子モーターKIF17による受容体輸送が神経活動を契機としてKIF17の分解により一時的に廃止され、その後すぐに樹状突起内において再開されるということを発見した。この分子機構は必要物資を細胞体から遠位の神経突起内へと輸送するという従来の分子モーターの役割とは異なり、神経活動を契機として突起内の受容体の位置を分子モーターが制御すると考えられ、樹状突起内に輸送の起点と終点が存在する新しいメカニズムである。本研究チームがこのKIF17による分子機構が正常に働かないマウスを開発したところ、恐怖記憶がほとんど消去できないPTSD様の症状を示した。分子モーターによる受容体位置制御を基盤とした1つの樹状突起での記憶の書き換えメカニズムが本研究により解明されたことは、記憶の書き換え障害が関与するPTSD等の精神疾患治療に新たな戦略をもたらすものである。(プレスリリース本文から抜粋)

Iwata S, Morikawa M, Takei Y, Hirokawa N. An activity-dependent local transport regulation via degradation and synthesis of KIF17 underlying cognitive flexibility. Science Advances 16 Dec 2020: Vol. 6(51). 

プレスリリース: https://release.nikkei.co.jp/attach/601912/01_202012161415.pdf

日本経済新聞による記事:東大、記憶の書き換えに重要なキネシン分子モーターKIF17による新しい樹状突起内輸送制御機構を解明

東京大学大学院医学研究科 細胞生物学・解剖学教室 http://cb.m.u-tokyo.ac.jp/index-ja.html

Microtubule, 3D illustration. A polymer composed of a protein tubulin, it is a component of cytoskeleton involved in intracellular transport, cellular mobility and nuclear division

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