医学類4年のS.T.と申します。研究室演習の活動の一環として、第48回日本神経科学大会に参加し、研究発表を行いましたのでご報告いたします。本大会は2025年7月24日から27日までの4日間、新潟市の朱鷺メッセで開催されました。日本神経科学大会は国内外の研究者が集う国内最大規模の神経科学の学会で、教育講演、シンポジウム、特別講演、受賞講演などを含む多様なプログラムとともに、一般口演およびポスター発表といった一般演題も多数設けられていました。「心に描く神経科学の未来予想図」をテーマに、基礎研究から臨床連携に至るまで幅広いテーマの研究発表が行われ、最新の研究動向に触れる貴重な機会となりました。英語での発表が中心であったため、海外からの参加者も多く見られました。
私たちの研究室は3名(フロンティア医科学学位プログラム2名、医学類1名)が参加し、ポスター発表を行いました。私はシャルコー・マリー・トゥース病という末梢神経障害の難病の非典型例について、キネシンに着目した病態解明の研究を発表しました。初めての学会で緊張しましたが、会話に近い雰囲気の中で落ち着いて発表することができました。実験手法に関する具体的な質問から、結果の意義や今後の展望に関する質問まで幅広くいただき、自身の研究理解を深めることができました。特に、異なる分野の研究者からは、研究室内ではあまり議論されない観点からの質問をいただけたことは大変勉強になり自分の研究をより広い視点から見直すきっかけとなりました。ポスター会場は非常に多くの人で賑わっており、私の発表ブースにも1時間のセッションの中で、絶え間なく参加者が訪れ、活発な議論を交わすことができ、大変有意義で充実した時間となりました。
シンポジウムでは、統合失調症のオルガノイド作製や自閉症・統合失調症におけるミクログリアの役割の解明といった精神疾患の基盤研究や、神経細胞における軸索輸送の分子機構、中年太りの仕組み、加齢マウスに対する人工冬眠の影響など、老化に関する研究も興味深く拝聴しました。プログラムには、データサイエンスやデータベースの最前線、蛍光バイオセンサー、脳の発生なども含まれており、全て聴講することはできませんでしたが、多岐にわたる分野で研究がされていることを実感しました。昼のランチョンセミナーでは企業が主催し、新しい研究技術の紹介や今後の神経科学研究に関する活発な議論が行われていました。さらに若手育成塾では、修士、博士の学生が口頭発表を行っていました。同年代の研究者が英語で堂々と発表している姿に大きな刺激を受け、自分もさらに努力したいと感じました。会場全体が活発な議論の雰囲気に包まれており、意見を交換できる場が学問の発展に重要であることを改めて実感し、研究へのモチベーションを一層高める契機となりました。
最後に、大会長である藤山先生をはじめとして、学会運営にご尽力いただいた先生方に深く感謝申し上げます。また、研究を丁寧にご指導くださった解剖学・神経科学研究室の武井陽介先生、指導教員である森川桃先生をはじめスタッフの先生方や学生の皆さんにもこの場をお借りして御礼申し上げます。この経験を今後の研究活動や将来の医師としての学びに活かしたいと考えております。
学会演題
Sara Takaishi, Momo Morikawa, Suguru Iwata, Tetsuya Sasaki, Yosuke Takei. KIF1Bα Mutation causes early-onset Charcot-Marie-Tooth disease with atypical neurological symptoms. 2025.07.24.
医学群医学類4年 S.T.





