雨にほどける四月の輪郭

四月のはじまり、まだやわらかな光の底で、雨は静かに降りはじめます。冬の名残をわずかに含んだ空気に、春の匂いがほどけてゆき、濡れた土は深く息をするようです。傘に触れる雨音は、どこか遠い記憶をたたくようにやさしく、過ぎ去った季節とこれから訪れる時間のあわいを漂わせます。枝先の若葉は、まだ頼りなく、それでも確かに雨粒を受けとめては震え、ひとつひとつが光を宿していきます。散り残った花びらが、濡れた道に貼りつき、色を濃くしているのを見ると、終わりと始まりが同じ場所に重なっていることを思い知らされます。すべてはゆっくりと満ちてゆき、やがて形を変える。四月の雨は、声を持たずに語りかけ、心の奥にひそむざわめきを静かに鎮めていきます。そして気づけば、濡れた景色の向こうに、まだ見ぬ季節、初夏の輪郭が、かすかに浮かび上がってきます。

4月に入ってから、雨の日が続いてます。桜の花が雨で散っているのはやや物悲しいですが、構内は新入生とそのご家族がが生活の準備をする姿が見られ、賑やかな印象です。来週からは入学式、オリエンテーション、履修登録、講義・実習の開始と時間の流れがさらに加速することでしょう。査読が完了したはずの論文(まだ連絡がありません)のrevisionを高速で終えて、次の原稿にとりかかりたいものです。

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