薄氷のうえの現在形

三月上旬、暦は春を告げていますが、空気の芯にはまだ冬の冷たさが沈んでいます。それでも光だけは確実に変わり、朝の窓辺を射す陽は、凍えた枝先を透かし、閉じていた時間の結び目をそっと緩めていきます。土の下では根が静かに動き、見えないところで流れが変わりはじめています。三月は終章でありながら序章でもある季節です。別れの余韻と始まりの予感とが、同じ地平で交差しています。去る者の背には言葉が追いつかず、迎える者のまなざしには未来がまぶしすぎます。そのあわいに立つ私たちは、過去を抱え、まだ名づけられぬ明日を胸に、薄い氷のような現在を踏みしめています。机に広がる未完成の図や、余白の多い研究計画書もまたこの季節に似ています。結論には届いていませんが、確かに次の一歩へと向かう力を宿しています。三月上旬とは、音にならぬ前奏がひそやかに鳴りはじめるときであり、静かな終止符の奥で、新しい鼓動が目を覚ますときのように思います。

本日は、大学院生が修士論文中間審査に臨みました。審査員の先生方からのコメントを十分に咀嚼して修士論文の完成を目指したいものです。セミナーでは、臨床実習で忙しい中、医学類M4の学生が研究進捗報告をしました。いつも美しいスライドの作成、勉強になります!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください