正月飾りの南天の実が鮮やかでした。
日本では古くから「難(なん)を転(てん)じて福となす」という言い回しによって、南天は厄除けや魔除けのシンボルとして深く根付いてきました。これは、南天の「なん」と転じる「てん」を重ね合わせることで、「あらゆる困難が好転し、幸福へと導かれる」とする語呂合わせに基づくものです。特に正月飾りや節分の鬼除けなど、年中行事の場面で赤い実や青々とした葉を使う風習は、そうした縁起担ぎの思いを象徴的に示しています。また、冬の寒さの中で赤く色づく実は、困難な状況でも凛と立ち向かう力強さや、不運を断ち切る厳粛なイメージを人々に与えてきました。南天の姿そのものが瑞々しく、しかも比較的丈夫で育てやすい点も、庭先や軒先に植えやすい理由となり、その結果多くの家々で鎮守のように大切にされてきた歴史があります。さらに、難が転じるという言葉通りに「悪いことを遠ざけ、良いことを引き寄せる」効果を信じる人々の願いが、南天の赤く美しい実に象徴的に重ね合わされてきたのでしょう。民間信仰や生活の知恵が長い年月をかけて受け継がれ、現代においても縁起の良い植物としての南天は、日本の行事や習慣に欠かせない存在であり続けています。
研究活動において、困難や壁にぶつかることは日常茶飯事です。しかし、そのたびに諦めるのではなく、あくなき好奇心と探究心をもって取り組む姿勢が大切でしょう。古くから南天の実は、「難を転じて福と成す」という語呂合わせや縁起の良さを象徴してきましたが、この想いは研究者にも通じるものがあります。赤く実る南天は、寒さや厳しい環境の中でも彩りを失わずに存在し続けます。それこそが、研究者が困難をバネにして一歩先へ進む力に通じるように感じられます。








