本日のJournal Club (December 9, 2019)

本日は、「母体免疫活性化により、海馬のセロトニントランスポーターレベルがエピジェネテッィクに制御される」という論文について学びました。(発表者:FS)

Maternal immune activation epigenetically regulates hippocampal serotonin transporter levels

Neurobiology of Stress. Volume 4, October 2016, Pages 34-43

Author links open overlay panel Sonali N.Reisingera1EryanKonga1DeebaKhanaStefanSchulzaMarianneRonovskyaStefanieBergeraOrsolyaHorvathaMaureenCabaticaAngelikaBergerbDaniela D.PollakaShow morehttps://doi.org/10.1016/j.ynstr.2016.02.007Get rights and contentUnder a Creative Commons license

大うつ病性障害(MDD)は罹患する患者数が多い精神疾患の1つであり、根本的な病態機構は理解が不十分である。そのためには適切なモデルシステムが必要である。

本研究ではエピジェネティックな変調を調べるために、ポリイノシン:ポリシチジル酸(Poly(I:C))による母体免疫活性化(MIA)による感染性ストレスを特徴とするマウスモデル(MDDの発症の促進因子)を使用した。筆者たちは、MIAの仔の無快感行動が、海馬における全体的なヒストンのアセチル化プロファイルの変調と関連していることを発見した。さらに、MDDの病因と薬理学的な抗うつ薬治療に決定的に関与する、プロモーターおよびセロトニン輸送体(SERT)の発現における特定の変化が検出された。さらにコントロールと比較してヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)1の海馬でのレベルの減少が観察された。

これらの結果に基づいて、うつ病のような行動と子孫の関連する分子および細胞の異常に対するMIAの長続きする影響が、エピジェネティックなプロセスの変調と結果として生じる遺伝子発現の永続的な変化によってもたらされるモデルを提案する。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2352289515300369?via%3Dihub

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