令和8年度自由科目「ニューロサイエンスへの誘い」で講義を行いました

筑波大学学類生向けに、自由科目「ニューロサイエンスへの誘い」が開講しました。学内ではオープンキャンパスが行われており、講義が開催された2学付近もとても賑やかでした。スタッフが「精神疾患のニューロサイエンス」とだいして講義を行いました。TFのNさんが、講義のサポートをしてくれました。とても助かりました。

本講義では、解剖学における「構造と機能」の関係を出発点として、脳という身体構造と「こころ」の働きがどのように結び付いているのかを考察しました。脳を取り巻く硬膜、大脳鎌、小脳テント、小脳鎌などの基本的な解剖学的構造にも触れながら、精神医学を神経科学の立場から理解するための基礎を紹介しました。

精神疾患は、生涯のうちに多くの人が精神保健サービスを必要とする可能性のある、身近で重要な疾患です。特に、多くの精神疾患は10代から20代という若い時期に発症する傾向があります。発症後は、症状や就労困難が長期間続く場合もあり、本人や家族だけでなく、社会全体に大きな人的・経済的負担をもたらします。少子化が進む日本において、若年期から精神疾患の予防、早期発見、治療に取り組むことは喫緊の課題です。

また、幼少期から老年期までのさまざまな環境要因が、心の健康を高めたり低下させたりすることについても解説しました。心の健康を支える要因を増やし、阻害する要因を早期に軽減することは、個人の生活の質を向上させるだけでなく、社会全体の豊かさにもつながると考えられます。

講義の後半では、脳科学研究に用いられるモデル動物について紹介しました。研究を進める際には、それぞれのモデル動物が持つ利点と限界を理解し、研究目的に応じて適切に選択することが重要です。日本の大型脳科学研究プロジェクト「革新脳Brain/MINDS」では、精神・神経疾患の病態解明や新たな治療法の開発への貢献が期待されています。わたしたちの研究室では、解剖学・神経科学の視点から、脳の構造、発達、機能、精神疾患との関係を明らかにする研究を進めています。現在、研究活動に参加する卒業研究生および大学院生を募集しています!

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