ARE最終報告会に参加してー異分野交流の渦ー

医療科学類3年生のIさんが、2025年度先導的研究社体験プログラム研究発表会に参加しました。

  1. 基本情報

発表会名:2025年度先導的研究社体験プログラム研究発表会

開催日時:2026年1月19日10時30分~16時30分

プログラム

10時30分〜11時25分(2限) ポスター設置

12時15分〜13時30分(3限) ピッチ発表(一人につき1分間の発表)
13時45分〜15時00分(4限) ポスター発表(奇数番号コアタイム)
15時15分〜16時30分(5限) ポスター発表(偶数番号コアタイム)

〇興味を持った演題

・「学習型ボードゲームによる認知症理解促進効果の検証」

認知症に対する社会的理解の深化と偏見の軽減が急務となる中、従来の情報提供型学習を超えた、体験を通じた効果的な教育手法の開発が求められている。本研究では、特に多世代間での共同学習を可能とする新たな介入ツールとして、ボードゲーム形式の教材を開発し、その有効性を評価した。

・「清朝のジュンガル征服におけるチベット仏教僧及びその属民処理の検討」

18世紀の清朝によるジュンガル・ハン国征服は、中央ユーラシア史の重大な転換点である。従来の研究は軍事・行政面に焦点が当てられがちであったが、広大な征服地域の安定化において、精神的権威であるチベット仏教僧団とその属民をいかに処遇・統合したかについては未解明の部分が多い。

・「夜間の街路灯がサギ類の群形成に与える影響」

都市化の進行に伴う夜間照明(人工光)は、夜行性・薄明性動物の行動に広く影響を及ぼすことが知られる。しかし、日中活動性の鳥類であるサギ類においても、夜間のコロニー(集団営巣地)形成や、これに付随する採餌行動が人工光によって影響を受けている可能性は、十分に検証されていなかった。

・「シュモクザメのセファロフォイル構造による水中用VRHMDの操作性向上」

潜水作業や水中探査における没入型体験には、水中での抵抗が少なく、安定した視野を提供するヘッドマウントディスプレイ(HMD)の開発が不可欠である。生物の形態は長い進化の過程で流体力学的最適化が進んでいることから、特に頭部形状が特徴的なシュモクザメに着目し、そのデザイン原理の工学的応用を試みた。

・「1mメッシュDEMを用いた鉄穴流し地形に関する広範的・包括的な検討」

中山間地域には、過去の産業活動(例えば、鉱山における「鉄穴流し」など)や集落造成に起因する大規模な人為的土地改変が、長い時間のうちに自然地形と混在・埋没している場合が多い。これらを体系的に識別する手法は確立されておらず、歴史地理学および地形学における重要な課題であった。

〇感想

今回、多様な学問領域の学生発表を拝聴し、その知的広がりと探求の深さに強く感銘を受けた。自然科学から人文社会科学まで、分野は異なれど、共通して「目の前の小さな疑問を解きほぐすことが、やがて世界理解の大きな糸口となる」という研究の本質を体現していた点が印象的だった。個々人の発表者の発表態度に関して、自身の専門用語をかみ砕きながら、その領域の「面白いと思う核心」を伝えようとする熱意が伝わってきた。それは、研究とは単なる知識の蓄積ではなく、未知への好奇心和それを共有するコミュニケーションそのものなのだと、改めて実感させられる体験だった。分野の壁を越えたこうした対話の場が、新しい発想の源泉となることを強く確信した。

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