催花雨

構内は、朝から冷たい雨に包まれています。春の雨は、催花雨や養花雨と呼ばれることがあり、花の開花を促進する働きがあるとのことです。雨の中、医学類の学生が実験に来てくれました。4月には研究発表会がありますので、準備に余念がありません。日本の春の雨には、次のような特性があります。

  1. 穏やかで優しい降り方
    • 春の雨は「春雨(はるさめ)」とも呼ばれ、霧のような細かな雨がしとしとと降ることが多いです。
  2. 気温との関係
    • 春の雨は気温が低めの日が続く中、徐々に暖かくなっていく過程で降るため、肌寒さを感じることがあります。「花冷え」と呼ばれる桜が咲く頃の寒の戻りにも関係します。
  3. 周期的な降り方
    • 春先は低気圧と高気圧が周期的に交代するため、「三寒四温」と呼ばれるような寒暖の周期に伴って雨が降ります。
  4. 植物の成長を促す雨
    • 春の雨は「催花雨(さいかう)」「養花雨(ようかう)」などの名で呼ばれることもあり、植物の芽吹きや花の開花を促します。
  5. 黄砂や花粉の影響
    • 春の雨は、中国大陸から飛来する黄砂や花粉を含んでいることもあります。雨が降ることで、一時的に大気中の花粉や黄砂が洗い流され、空気が澄む効果がありますが、車や洗濯物に汚れが付着する原因にもなります。
  6. 桜や新緑との美しい情景
    • 春の雨が桜の花びらを散らせる「桜雨(さくらあめ)」や、若葉をより鮮やかに映えさせる「緑雨」といった、美しい情緒的な情景を作り出すのも特徴です。

日本の春の雨は、季節感を豊かに感じさせるとともに、感性を刺激するような情緒的な存在として親しまれています。下記のような和歌や短歌が残されています。

紀貫之(古今和歌集)「袖ひちて むすびし水の こほれるを 春立つけふの 風やとくらむ」

藤原良経(新古今和歌集)「春雨の 降るは涙か 桜花 散るを惜しまぬ 人しなければ」

俵万智(『サラダ記念日』より)「降りやまぬ 春の雨には音もなく 心の底を濡らすつめたさ」

ニューロサイエンス学位プログラムの前身は、感性認知脳科学専攻という組織でした。感性(Kansei)に関わる神経科学研究を推進したいものです。

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