知識の種は蒔けても、思考の花は自ら咲く

「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」というこの諺は、英語では “You can lead a horse to water, but you can’t make it drink” と表現され、他者に機会を提供できても、その機会を活用するかどうかは最終的に相手の意思次第であるということを示します。

研究指導の場面では、指導教員は学生に研究テーマ、方法論、文献などの貴重なリソースを提供できますが、それらを活用して深く学び、実質的な研究成果につなげるのは学生自身の主体性によるものです。教授はセミナーや研究会への参加機会を設けることができても、そこから有意義な学びを得るか否かは学生の積極性に委ねられています。

同様に研究室運営においても、PI(Principal Investigator)やラボ長は研究環境を整備し方向性を示すことはできますが、研究チームメンバーの内発的モチベーションを直接コントロールすることは難しいです。高等教育全般においても、カリキュラムや学習リソースの提供、論文執筆のガイダンスなどは可能ですが、それらを効果的に活用して質の高い学術成果を生み出すには学生自身の努力と意欲が不可欠です。

この諺は、研究・教育の世界における「自律性」と「主体性」の重要性を強調しており、指導者と学生・研究者の双方の役割の重要性を示しています。最終的に学びと成長は、個人の内発的動機と継続的な努力に依存するという本質を表しています。

学類生・大学院生には、学会に参加する機会をできるだけ設けています。発表の準備もサポートしますが、口頭発表やポスター作成また学会当日に何を学ぶのかは学生の内発的動機と継続的な努力に依存します。できるだけ多くのものを得て帰ってきてほしいものです。

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