湯島聖堂(ゆしませいどう)は、東京都文京区湯島にある孔子廟で、江戸幕府が儒学を奨励した際の中核として機能した歴史的施設です。林羅山が屋敷内に設けた孔子廟を前身とし、幕府直轄の最高学府として昌平坂学問所が置かれ、幕臣や諸藩の子弟が朱子学を学んだ場として知られています。幕末から明治期にかけては新政府に接収され、後に東京大学の源流の一つとなったことがよく知られています。1872年(明治5年)には東京師範学校(後の東京高等師範学校→東京文理科大学→東京教育大学→現・筑波大学の系譜)、1874年(明治7年)には東京女子師範学校(現・お茶の水女子大学の前身)が敷地内に設置されました。湯島聖堂が「近代教育発祥の地」と称される由縁となっています。
現在の建物は昭和初期に再建されたもので、黒塗りの荘厳な外壁や大きな孔子像が独特の雰囲気を醸し出しているのが特徴です。学問の祖とされる孔子を祀ることから、合格祈願や学業成就を願う人々が多く訪れています。また、近隣には神田川に架かる聖橋や神田明神などの名所が点在しており、江戸時代から続く学問や文化の気風を今に感じさせてくれます。史跡に指定されているほか、儒教文化や江戸期の教育史を今に伝える学問のパワースポットとして、多くの参拝者や観光客に親しまれています。
先日、湯島聖堂を訪問した際には、大成殿内が公開されていました。私たちの研究が大きな実を結ぶようにお祈りしました。








