本日は、神経系テュートリアルに参加して下垂体腫瘍と脳卒中について、医学類学生と一緒に勉強しました。
下垂体腫瘍(Pituitary Tumor)は、脳の下部に位置しホルモン分泌を司る小さな器官である下垂体に発生する腫瘍です。その多くは良性の腺腫(adenoma)ですが、非常に稀に悪性の腫瘍(癌)が生じることもあります。下垂体腫瘍はホルモンを過剰に分泌する「機能性腫瘍」と、ホルモン分泌を伴わない「非機能性腫瘍」に大きく分類されます。機能性腫瘍には、プロラクチンを過剰に分泌するプロラクチノーマや成長ホルモン産生腺腫、さらにACTHを産生してクッシング病を引き起こすものなどがあります。一方、非機能性腫瘍はホルモン分泌の異常がないものの、腫瘍が増大することで視神経の圧迫や下垂体機能低下症を引き起こすことがあります。また、サイズによる分類では直径10 mm未満のマイクロアデノーマと、それ以上のマクロアデノーマに分けられます。
症状としては、ホルモン過剰に伴う無月経、不妊、乳汁分泌、性欲低下、巨人症や先端巨大症、クッシング症状などが挙げられます。さらに、腫瘍の大きさによっては視力低下や視野欠損、頭痛、下垂体機能低下症が生じる場合もあります。診断は血液検査によるホルモン値の測定や、MRIやCTスキャンを用いた画像診断、視野検査などで行われます。治療法としては、プロラクチノーマにはドパミン作動薬の投与が第一選択となり、その他の腫瘍ではホルモン抑制薬の使用や、経蝶形骨的アプローチによる手術が選択されます。腫瘍が非常に大きい場合や再発例では放射線治療が考慮されることもあります。
多くの下垂体腫瘍は治療により良好な経過をたどることが多いですが、腫瘍の種類やサイズ、治療開始のタイミングによって予後は異なります。治療後も再発の可能性があるため、定期的なフォローアップが重要です。このように、下垂体腫瘍は多岐にわたる症状と治療法を持つ疾患であり、早期診断と適切な治療が鍵となります。
本日も夕方から、ケアコロキウムと臨床実習を終えた医学類の学生が、寒い中研究室に来てくれました。ケアコロキウムは隣県で実施とのことで、お疲れのところを長距離移動して丁寧な実験を行ってくださいました。こちらの間違いで、実験作業が遅くまでかかってしまいました💦実験がうまくいって、現在欠けているデータがとれること、がんばりが実を結ぶことを期待しています。SさんとNさんは、週末に学会に参加したばかりですが、部活に行ったり研究室で作業したり大忙しの様子でした。明日の実験も成功するといいですね。
難しいことが多い年末ですが、若い力と共に前進したいものです。












”LIFE CAN ONLY BE UNDERSTOOD BACKWARDS, BUT IT MUST BE LIVED FORWARDS.” (Soren Kierkegaard)
「人生は過去を振り返ることによってのみ理解できるが、前を向いてしか生きられない。」(セーレン・キルケゴール)
2024年12月05日掲載
“ケアコロキウムから研究と部活動” への1件のフィードバック