第9回神経科学先端セミナーが開催されます

名古屋大学大学院医学系研究科細胞生物学分野の服部祐季先生をお迎えして、ニューロサイエンス学位プログラム「第9回神経科学先端セミナー」が2月5日に開催されます。脳の発生過程において、免疫細胞であるミクログリアがどのような役割を果たしているのかについて最先端の研究をご紹介いただきます。

〇講義のタイトル:脳発生を支える免役細胞ミクログリアのふるまいと機能

〇講義の要旨:脳発生は日々刻々とダイナミックな変化を伴いながら進行する。胎児期から生後にかけて、適切な時期に必要な数の神経系細胞が生み出され、それぞれが目的の場所に移動し、「脳」という秩序だった組織構造が形成されていく。そのプロセスに免役細胞であるミクログリアがどのように貢献しているのかについてこれまで研究を進めてきた。本講義では、ミクログリアの細胞動態や機能、神経系細胞や血管との相互作用、性質多様性の獲得メカニズムに焦点を当てた自身の最近の研究成果について、国内外の研究動向も交えながら紹介する。脳発生研究に汎用される技術方法論、脳組織および生体ライブイメージング等の手法についても概説しながら、研究内容についてわかりやすく解説したい。

〇講義の理解に役立つ参考論文

1.  Hattori Y*, Kato D, Murayama F, Koike S, Asai H, Yamasaki A, Naito Y, Kawaguchi A, Konishi H, Prinz M, Masuda T, Wake H, Miyata T. CD206+macrophages transventricularly infiltrate the early embryonic cerebral wall to differentiate into microglia. Cell Rep.,42(2), 112092 (2023).

2.  Hattori Y*, Itoh H, Tsugawa Y, Nishida Y, Kurata K, Uemura A, Miyata T. Embryonic Pericytes Promote Microglial Homeostasis and Their Effects on Neural Progenitors in the Developing Cerebral Cortex. J. Neurosci., 42(3), 362–373 (2022).

3.  Hattori Y*, Naito Y, Tsugawa Y, Nonaka S, Wake H, Nagasawa T, Kawaguchi A, Miyata T*. Transient microglial absence assists postmigratory cortical neurons in proper differentiation. Nat. Commun., 11(1), 1631 (2020).

〇講義全体にわたってのキーワード:ミクログリア、マクロファージ、神経前駆細胞、ニューロン、血管、脳発生、イメージング

筑波大学大学院人間総合科学学術院人間総合科学研究群ニューロサイエンス学位プログラム
『神経科学先端セミナー1、2』この講義は、遺伝子、分子、細胞、組織、生理、システム、数理、行動、認知、応用、支援など、神経科学の様々な研究領域の最先端でご活躍中の先生を講師としてお招きし、その研究課題、研究手法、研究成果についてお話していただくものです。

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