研究発表の準備を念入りに

医学類の学生が来室して、4月中旬の研究室演習活動報告会の準備を行いました。大学院に入学したKさんが実験を開始しました。修士課程は、座学や就職活動で忙しいです。悠々として急ぐ、ことを念頭に研究推進したいものです。

研究室演習報告会は、研究室演習での活動内容を医学医療系のスタッフおよび学生の前で説明するものです。研究室内の研究進捗報告会と、外部や学内の研究会での研究発表には、目的や対象、発表スタイルなどに明確な相違があります。

項目研究進捗報告会(研究室内)研究会での研究発表(外部・学内研究会など)
目的研究の進捗確認、問題点の共有、指導・フィードバックを得る研究成果の発表と議論、専門家からの評価・意見を得る
対象者指導教員、研究室メンバー(内部)同分野や関連分野の研究者(外部)
発表内容作業の進捗、課題、今後の計画なども含む一定の成果やまとまった研究結果を中心に構成
形式・雰囲気比較的カジュアル・自由度が高いフォーマル、学術的体裁が求められる
時間配分柔軟に調整可能時間厳守(例えば発表10分+質疑5分など)
準備の程度スライド数や表現方法の自由度が高い明瞭で洗練されたスライドや論理構成が必要
主なフィードバック研究室内の目線からの実務的・具体的な指摘専門家・他分野からの建設的・理論的な指摘

研究進捗報告会は、主に研究室内で行われ、スタッフや大学院生が対象となります。この場では、研究の進捗状況を共有し、技術的な問題点や課題を相談したり、今後の方向性について助言を受けたりすることが目的です。発表内容には、まだ分析途中のデータや実験手法に関する悩みなど、研究の途中段階の話題も含まれるため、比較的自由でカジュアルな雰囲気の中で行われます。発表者にとっては、論理的な組み立て方やスライドの見せ方、質疑応答の練習の場にもなり、発表技術の向上につながる重要な機会となります。

一方で、研究会での研究発表は、博士号を持つ研究者や臨床経験を有する医師など、より専門的な聴衆を対象として行われます。このような場では、ある程度まとまった研究成果を、学術的なフォーマットに則って発表することが求められます。背景、目的、方法、結果、考察といった構成に沿って、研究の全体像を論理的かつ明瞭に伝えることが重視されます。発表はフォーマルな雰囲気の中で行われ、専門的な質問や批判的な視点にも的確に対応する力が求められます。また、研究成果を広くアピールし、フィードバックを得たり、研究者間のネットワークを広げたりする貴重な機会でもあります。

このように、研究進捗報告会と研究会での発表は、それぞれの目的や対象者、発表内容、求められるスキルにおいて明確な違いがあり、どちらも研究活動において欠かせない重要な場です。どちらの発表でも「相手が誰か」を意識して発表準備すると、より「伝わる」発表になります。

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