科学技術振興機構(JST)のプレプリントサーバーJxivにプレプリントを掲載しました。
Tetsuya Sasaki1,2,3*, Sae Sanaka1,4, Sara Kamiya1,2
佐々木哲也、左中彩恵、神谷沙羅 (筑波大学 医学医療系 生命医科学域 解剖学・神経科学研究室)
自閉スペクトラム症(ASD)の診断において、知的障害を伴わないケースでは、高い知的能力による代償的な適応により、表面的には定型発達との区別が困難となることがある。また、発達段階による症状表現の変化や、成人期における長年の代償的適応により、基本的な特性が把握しにくい場合も多い。不安障害や気分障害などの併存症が前景に立つ場合、基礎にあるASD特性の評価が困難となる。診断には複数の場面での行動観察と詳細な発達歴の聴取を丁寧に行うことが求められる。また、発達段階や性差による症状表現の違い、併存症の影響を考慮した包括的な評価が不可欠である。これらの多面的な評価により、より適切な診断と支援につながることが期待される。

ほんたうにそんなことはない
かへつてここはなつののはらの
ちひさな白い花の匂でいつぱいだから
ただわたくしはそれをいま言へないのだ
(わたくしは修羅をあるいてゐるのだから)
わたくしのかなしさうな眼をしてゐるのは
わたくしのふたつのこころをみつめてゐるためだ
ああそんなに
かなしく眼をそらしてはいけない