第283回つくばブレインサイエンス・セミナーを開催します。オンサイトとオンラインのハイブリットで実施されます。奮ってご参加ください。(This seminar is in Japanese)
日時:2024年11月27日(水)7限 18:00-19:30
対面会場:睡眠医科学研究棟1F 講堂(オンサイト)
オンライン会場:
https://us06web.zoom.us/j/88986544033?pwd=C2ejba6rFhbIbuK2ZVaQfeM3Tg4uHN.1
パスワード :019289
講師:藤山知之 先生(国際統合睡眠医科学研究機構•助教)
講演タイトル:レム睡眠制御における非選択的陽イオンチャネルNALCNの遺伝学的機能解析の現状と展望
レム睡眠は哺乳類および鳥類に普遍的に存在するが、レム睡眠制御の分子・神経機構は未知のままである。我々は睡眠のフォワードジェネティクスにより、レム睡眠エピソード持続時間の顕著な低下を示すDreamless変異マウス系統を樹立した。Dreamlessにおいて、非選択的陽イオンチャネルNALCN(Na leak channel, non-selective)に1アミノ酸置換を誘導する特異的な一塩基変異を同定、NALCNのレム睡眠制御における重要性が示唆された。NALCNがレム睡眠を制御している脳領域や神経細胞サブタイプを明らかにするため、Cre依存性の機能喪失型または機能獲得型アレルを持つノックイン系統を作製、複数のNalcn遺伝子改変マウスを用いて睡眠覚醒行動を解析した。これまでレム睡眠制御の中心は主に橋/延髄領域と考えられてきたが、NALCNはレム睡眠調節に脳の前後軸において異なる役割を持ち、特に大脳皮質のグルタミン酸作動性となる興奮性ニューロンにおけるNALCNがレム睡眠エピソードの正常な持続維持に重要な役割を果たしていると考えられる。
