解剖学発生学研究室のY先生を筆頭著者とする論文が発行されました。Y先生、おめでとうございます🎉
A case report of an Adachi-Williams type CG plus H aortic arch anomaly and implications for the development of the cervicothoracic circulation (足立・ウィリアムズ型CG+H型大動脈弓異常の症例報告と頸胸循環の発達への影響)
Masaharu Yoshihara, Yoshitoku Watabe, Momo Morikawa, Suguru Iwata, Michito Hamada, Tetsuya Sasaki, Noriko Homma, Yosuke Takei
DOI: 10.5603/fm.102366
背景:大動脈の大血管形成は、血行力学的ストレスによって部分的に調節されるため、鎖骨下動脈の分枝の発達がその近位部に依存しているかどうかは明確ではない。例えば、通常は鎖骨下動脈から分岐する椎骨動脈が、大動脈弓の分枝異常に影響される可能性がある。この不確実性は、近位および遠位の分枝形態の高度な異常例の報告が限られていることに起因する。本研究では、学生の解剖中に発見されたAdachi-Williams型CG+H大動脈弓の症例を報告し、頸胸部の循環の発達について考察するものである。
症例報告:本研究では、右鎖骨下動脈が左鎖骨下動脈の遠位から大動脈より分岐し、食道後経路を通り、右および左総頸動脈が大動脈からの短い共通幹(頸動脈幹)から分岐するAdachi-Williams型Hの異常な右鎖骨下動脈を報告するものである。さらに、左椎骨動脈が頸動脈幹と左鎖骨下動脈の間で大動脈弓から直接分岐しており、Adachi-Williams型CGに該当する。この異常な右鎖骨下動脈からの分枝動脈(右椎骨動脈、内胸動脈、甲状頸動脈幹、肋頸動脈幹、胸肩動脈)は確認できなかった。また、右迷走神経は反回神経を形成せず、直接喉頭筋に支配していた。
結論:異常な右鎖骨下動脈の発達は、前肢領域の近位および遠位の血行力学的ストレスに影響を与える可能性があるが、遠位の分枝形態は正常であり、近位部と遠位部の血管発達は独立していることが示唆される。Adachi-Williams型CGおよびHの併存は非常にまれであり、遠位動脈は近位動脈の異常に適応するために、逐次的にではなく微調整された形で発達するものである。

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