本日ここにご遺族の方々をお招きし、篤志解剖の追悼式が執り行われることとなりました。、教育・研究のために献体いただいた151名の方々の御霊に対し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、ご協力をいただきましたご遺族の皆様に、大学の教職員並びに学生を代表して、深く御礼申し上げます。筑波大学医学群は、医師、看護師、医療技術者を養成する総合的な医学医療の教育組織です。ここに所属する学生は皆、人体解剖学を学び、解剖実習を経験いたします。
この学習および実習は、全ての医療を学ぶ者にとって、一生忘れることのできない貴重な体験であり、精密極まる人体構造や生命維持の仕組みに対して、大きな驚きと感動を覚えるものです。また、学生たちはご献体と真摯に向き合うことで、献体者の方々の理解とご協力に対して深い感謝の念を抱き、人間への畏敬の念と、医療を学ぶための心構えを養っていきます。
医学群の卒業生たちは、これまで40年以上にわたって、医師、看護師、臨床検査技師、そして生命科学や医療に携わる研究者として、さらには医療行政職など様々な分野で社会に貢献してまいりました。私たちは、献体いただいた方々の崇高なる志に応えるため、さらに一層の努力を誓い、日々の研鑽に励んでおります。
筑波大学附属病院においてお亡くなりになられた方々にも、ご遺族のご理解とご協力により、病理解剖をさせていただいております。病理解剖によって得られた多くの所見は、医学・医療の進歩にとって不可欠であり、その知見の積み重ねが、病態解明や診断、治療法の開発、さらには根本的治療法の発見や病気の予防へとつながっています。ご遺体を提供いただいた方々が、医療の進歩に大きな貢献をしてくださっていることをここに報告し、改めて深い感謝を申し上げます。
2024年10月09日(水) 筑波大学篤志解剖体慰霊式
医学群長 武井陽介



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